■ Modelkrak T-29-5 試作戦車 (1/72) ■

■1/72の，とりわけ海外製レジンキットでは，しばしば「こここここれは…」と思うようなマイナーなアイテムまでキット化されていて驚かされることがある。今回はポーランド“Modelkrak”から出ている「T-29-5 試作戦車」を取り上げたい。 アイテムがいくらマイナーでも，出来がグチャグチャでは話にならない。キットそのものの出来に関しては不明だったが，ネットで見た同社の他製品の出来からして，そこそこ良さそうだと判断して注文した。

全パーツ写真。“Modelkrak”は1/700の艦船キットも多く出しており，その面目躍如といったところか。車体や砲塔など全体にシャープな出来で好感が持てる。 転輪及び履帯の立体感がやや乏しいかな。T-29-5 の転輪直径は T-34 とほぼ同じ位なので流用も検討出来るが，履帯はちょっと難しいかも。もっとも，装輪走行状態にすれば問題無いし，私もそうするつもり。 気泡は２〜３個で致命的なものは無い。車体前面の大きなレジンの湯口は綺麗に撤去するのはやや骨が折れた。

主砲塔と銃塔を載せてみたところ。おぉっ！格好良いぢゃないかっ！主砲はちょっと強すぎの感もあるが，これは先細りが表現されていない為。スケールを考えればまぁ許容範囲かな。

インストはこの黄色い紙が１枚だけ。しかもポーランド語だし…。まぁ部品数も少ないのでこれだけでも製作に迷うことはないとも思う。 図面はロシアのエクスプリント社刊『ソ連の中戦車・戦前期1924-1941』掲載の T-29-4 と T-29-5 の図面をミックスしたもののようだが，図面に描かれている，車体中央部分を取り巻くアンテナは T-29-4 の装備なので，このキットの場合には付けないのが正解と思われる。付けろったって金属線とかも入ってないし…。 完成すると全長約10cmの陸上戦艦がお手元に。アイテムに惚れた方は是非どうぞ。

オススメ度：★★★★☆