ソ連戦車兵3人の記念写真で、キャプションには「ソ連邦英雄の第20戦車旅団の誰々」とあり、各々の人物名が記されている。
戦車兵達と共に写っている、白色に冬季迷彩が施された戦車は、鉢巻きアンテナ付きのT-28中戦車である。
左はその部分拡大写真だが、履帯のうち赤矢印で示したリンクに注目されたい。「裏表を逆に」装着しているのだ！
これは恐らく、履帯を表裏逆に装着するすることにより、履帯のセンターガイドを「グローサー（アイゼン）」代わりにし、雪・氷上での防滑効果を期待したものだろう。写真を見た感じでは、おおよそ10リンクに1枚位の間隔で裏履きさせているようだ。
湖沼が多いフィンランドでは、冬季の渡河に凍った氷の上を走行することも多かったであろうから、そのような状況ではある程度効果的なのかもしれない。しかし逆に、舗装された路面では走れそうもないとも思えるが。
以後、T-28の写真を見るときには、履帯を同様にした車両を注意深く探しているのだが、現在のところこの写真以外ではお目に掛かっていない。非常に珍しい例と言えそうだ。
【2000/01/21】
【2011/03/06・表記を修正】